営業/マーケ関連指標
SaaS企業の価値に大きく影響するのが、S&M(営業/マーケティング)効率です。1円投資した際に、長期的に何円回収できるかという効率性によって企業価値が大きく変わってきます。
CAC (Customer Acquisition Cost)
CAC (顧客獲得コスト)
とはその名の通り、顧客獲得にかけたコストで、営業・マーケティングにかけた全てのコストの合計になります。
LTVがCACを上回るとお金を生み出すモデル、CACがLTVを上回ってしまうとお金を失うだけのモデルになります。
Payback Period
新規顧客獲得のためには多くの営業・マーケティングコストをかけます。そのため、お客様になっていただく前には赤字になっています。ただ売上が毎月立っていくかたちになります。
単一顧客のキャッシュフローを考えてみると、月々売上を頂いた結果、どこかである顧客で得た利益がCACを上回ります。
この反転にかかるまでの期間の長さをPayback Period (回収期間)
といいます。
(TODO: Payback Periodのデータを調べる)
Magic Number (MN)
近年、Magic Number (MN)
と呼ばれるシンプルな計算式を使って企業のS&M効率を測る事が増えています。これは連続する2つの四半期の数字を使って計算します。
意味を紐解くと、四半期に透過したS&Mコストによって、年間のSubscription売上がその何倍得られたかという計算式になります。ここでの売上はGAAP Revenueもしくは実際に売りが立った金額を使います。
1.0を超えるとS&Mに投資したコスト以上のサブスクリプション売上が得られているということですから、非常に良いビジネスかつ投資対象になるビジネスと考えられます。
0.5を割るとまだビジネスモデルを確立できていない証拠になります。
0.5~1.0の間のビジネスは悪くはなくいずれ黒字化も可能と思われるビジネスですが、そこまで効率も良くないため、VCからはそこまで魅力的な投資対象として映らない事が多いです。
LTV / CAC Ratio
この値は、そのままLTVをCACで割ったもので、ビジネスの効率性を測る指標として広く使われるようになりました。
聞かれることも多いので必要に応じて追いますが、B2Cでは有効であるものの、B2Bではあまり良い指標では無いと昨今はされてきており、Magic Numberを目にする機会の方が個人的には増えてきています。