UniFiで自宅に巨大スタジアム並のエンタープライズWiFi環境を整えた

3月からCOVID-19の影響でずっと在宅勤務をしているのですが、一番ストレスがたまるのが、ビデオ会議で通話が頻繁に途切れることです、仕事になりません。

そこでシリコンバレー界隈のWiFi詳しいお兄さんこと、yabejpさんに相談したところUniFi製品の購入から導入まで手とり足取り教えて頂き、約10万円の投資で非常に満足の行くエンタープライズWiFi環境を自宅に整える事ができたので、ブログにしてみます。

はじめに

この記事で紹介しているソリューションは万人のためというわけではなく、人を選びます。対象読者としては以下を想定しています。

  • 不安定なネット環境が本当に許せない
  • 基礎的なネットワークの知識がある(Ethernet, TCP/IP, DNS, DHCP, etc)
  • 基礎的なUNIXシステムの知識がある
  • 自宅WiFi環境に3-10万円程度の予算をかけられる
  • 自宅WiFi環境の設定にある程度の時間をかけられる

簡単に言うと、エンジニアの方が対象になります。

問題

まずはビデオ会議時の接続断や遅延がストレスの元になっていました。それ以外にも家に約50台ほどあるIoT機器が頻繁に接続断・タイムアウトを起こし、時間帯によっては全く役に立たないことも多くありました。

特に駐車場のゲートを開けたい時にシステムがつながらないと… もう… ストレスが一杯です。アメリカの一軒家に住んでおり、それなりに面積があるため、場所によっては非常に繋がりづらいのが原因です。

これを解決するために、いくつか市場に出回っているメッシュWiFi製品を試してみることにしました。簡単にメッシュWiFiのメリットを説明すると、相互に通信可能な複数のアクセスポイント(以下AP)を配置することでカバー範囲を増やし、かつ1つのAPがダウンしても他のAP経由で接続できれば通信を行えるため安定性も上がります。

後述しますが市場に出回っているメッシュWiFI製品を2つほど試してみたのですが、いづれも安定稼働に漕ぎつける事ができませんでした。頭をかかえていたところ、yabejpさんに相談に乗って頂き、UniFiの製品群を導入することにしました。

UniFiとは

UniFiはUbiquiti Networksが提供する中小規模エンタープライズ向けのWiFiソリューションで、巨大スタジアムにも使える強力な製品が、お求めやすい価格で提供されているのが魅力です。

Wikipediaによると、FounderのRobert PeraはAppleでWiFiモジュールを作る仕事をしていましたが、自身のアイデアを上司に無視されたためスピンアウトして低価格かつ高性能なWiFiハードウェアを作るためにUbiquiti Networksを創業し億万長者になったらしいです。

そういうの、素敵じゃないですか。

UniFiの何が良かったか?

実際に導入してみてまだ1-2ヶ月ですが、以下の点が良かったと感じています。

  • 安価かつ高性能・高品質なハードウェア
    • 中小規模ISP等でも導入されるぐらいの高品質なハードウェアを比較的安価に手に入れられます。
  • 様々な環境に対応できる製品ラインアップ
    • 豊富な製品ラインアップにより、自宅環境に合わせて有線・無線を織り交ぜた最適なWiFi環境を構築できます。
  • ログへのアクセス
    • 全ての機器へsshログインしてログを見ることが出来るため、システムがブラックボックスにならず、自分で問題を分析して解決する事ができます。
  • UniFi Controllerによる設定変更の容易さ
    • 全ての機器をUniFi Controllerを通じてブラウザ・Mobileアプリから管理する事が出来ます。機器のモニタリングや設定変更を手軽に行えるため、コマンドライン経由でゴリゴリ設定して行くようなネットワーク機器管理の敷居の高さがありません。
  • 設定項目の豊富さ
    • 様々な設定項目を変更できるため、自宅に合わせた最適なWiFiの設定を手にとるように行うことができ、WiFiパフォーマンスが劣化する様々な原因を防ぐ事ができます。
    • 設定が複雑… という面もありますが大丈夫です、yabejpさんはじめ先人が茨の道を踏んでくれており、オススメの設定を出来る限りこのブログにまとめました。

記事一覧

それでは、実際にUniFi製品の購入・設定・運用の方法を見ていきましょう!今回の記事は長くなってしまったため、以下の複数の記事に分割しました。

  • 1. 購入編
    • UniFiには多くの製品ラインアップがあります。それぞれのご家庭でどの製品を買えばいいか紹介していきます。
  • 2. 設定編
    • 安定したWiFi環境を実現するための設定を行います。
  • 3. IoT機器用ネットワーク設定編
    • IoT機器向けに仮想ネットワークを設定します。
  • 4. sshでログイン編
    • UniFi製品へのsshログインの仕方とログの確認方法を紹介します。

どうでしたか?巨大スタジアム並のWiFi環境を数万円台で自宅に整備できてしまう… いい時代になったものです。この記事によって全国のUniFiファンが1人でも増えてくれる事を願ってやみません。

Kazuki Ohta (or Ota)
Kazuki Ohta (or Ota)
Co-Founder & CEO

I’m a Japanese entrepreneur with the heart of computer science. My Japanese name is 太田 一樹.